漢方薬ってホントに効くの?効果を実感するためにまず知ってほしいこと
みなさんは漢方薬に対してどのようなイメージを持っていますか?
体に優しそう、副作用がなさそう、といったプラスのイメージもあれば、一方で、あまり効き目がなさそう、効くまでに時間がかかる、といったマイナスのイメージもあるのではないかと思います。
これらを総合すると、「副作用は弱いけど効果も弱い」といった印象かもしれません。
どうしてこのようなイメージが付いたのでしょうか。この理由として、「現在日本では漢方薬を西洋医学的な考えで使っていることが多い」からだと私は考えています。
日本の今の医療は「西洋医学」が主流です。
「西洋医学」とは病名処方の医療。
つまり、【診察 ⇒ 病気の特定 ⇒ 治療】といった流れを基本としています。
普段、病院やクリニックにかかったときにお医者さんがやってくれることですね。
最初に病気を特定しておくことで、症状に対してピンポイントに治療をするのです。
このため、使われる薬もピンポイントに作用するものが多く、その分ガツンと効かせるものとなっています。西洋薬は一般的に攻撃的で、素早く症状を抑えることが得意です。
一方、漢方薬が属する「東洋医学」は、【診察 ⇒ 体質の把握 ⇒ 治療】の流れで成り立ちます。
診るのは病気ではなく患者の体質そのもの。病気になった原因は体質にあり、病気は体質悪化の結果生じたものと考えます。
ですので病気を治すのではなく、その根本にある原因となっている体質の改善を目指すのです。
西洋医学を攻撃的とするなら、東洋医学は防御力を高めるイメージでしょうか。
その性質上、病気になってからの治療もさることながら、病気になる前の段階(東洋医学では「未病」と言います)から、予防的に処置を行うことに非常に長けているのです。
さて、「西洋医学」と「東洋医学」の違いはなんとなく分かっていただけたでしょうか。
漢方薬を使うなら、まずはこの違いをしっかりと意識しなければいけません。
しかしながら、今は西洋医学が主流の時代。
漢方薬が見直されつつある今も、その使い方は西洋医学的なものとなっています。
例えば、「風邪の引き始めには葛根湯(カッコントウ)」と言いますが、これも病名から治療法を判断する西洋医学の考えが基にあり、患者さん個々の体質が考慮されていません。
たまたま体質に合い風邪が良くなることもあるかもしれませんが、たいていは効かずに結局は自らの治癒力で治してしまいます。
以上が、漢方薬は「副作用は弱いけど効果も弱い」という誤解を与えてしまった原因だと思われます。
幸い、現在市販されている漢方薬は比較的マイルドなものが多く、体質に合わなくとも効果が出ないだけで、副作用まで出ることはあまりありませんが、なかには重い副作用を招くものも多くあります。
その効果は、体質に合うものであれば絶大なものとなります。
ぜひとも、自分に合う漢方薬を見つけてみてください。