しめじねこ漢方ブログ

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【陰陽論】東洋医学の根幹をなす理論

陰陽論とは、「この宇宙に存在するいかなるものでもみな、対立する『陰』と『陽』の二つの面を持つ」という古代の哲学思想です。

動的なものを『陽』、静的なものを『陰』として捉え、万物を対立させて考えるのです。

陰陽は単独では存在せず、対立あるいは協調して一体として存在します。

これはとても抽象的な概念で、いかにも理解しづらいように思われるかもしれませんが、以下の表を見て頂ければなんとなくイメージが掴めるのではないでしょうか。    

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陰陽は相対的なもの

陰と陽に分けられたものが、常に陰や陽であるわけではありません。

例えば、冬は陰ですが、寒い日(陰)が続く中にも暖かい日(陽)が存在します。また、男は陽ですが、活発なとき(陽)もあれば静かに休んでいるとき(陰)もあるでしょう。

陰陽とは、決して絶対的なものではなく、あくまで相対的なものなのです。

対立するものによって変化するのです。

 

陰や陽のなかにもまた陰陽がある

すべてのものは陰と陽に分かれますが、それらにもまた陰陽が存在します。

例えば、昼は陽ですが、そのうち朝から日中は陽(陽中の陽)でも日中から夕方は陰(陽中の陰)です。

そして夜は陰ですが、そのうち深夜は陰(陰中の陰)でも明け方は陽(陰中の陽)です。

このように、陰と陽の内部にもまた、陰と陽の対立が含まれているのです。

 

陰陽はあらゆる物事がたえず変化する様子を表す

陰と陽は独立して存在しているわけではありません。

対立あるいは協調しながら互いに作用しあっていて、その関係もたえず変化しています。

そうして陰と陽が互いに制約しあってバランスを取り、片方に行き過ぎないようにしているのです。

これは東洋思想における「陽極まれば陰となり、陰極まれば陽となる」という考え方にあたります。

その様子を的確に表しているものが季節です。

夏至には陽が極まり、冬至には陰が極まります。

そしてそこからは、秋や春を経て相対する陰と陽に転換していきます。

陰陽はたえず変化するとともに、陰から陽へ、また陽から陰へと循環しているのです。

ちなみに下に示した『太極図』は、陰陽の循環を永遠に繰り返すことを表しています。

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(図の上下にある点は、それぞれ陽中の陰、陰中の陽を表す)

 

 

陰陽を人体にも適用できる

さて、今まで陰陽について一般的な考え方を解説してきましたが、小宇宙である人体もまた陰陽に当てはめることができます。

そして、陰陽論と同じく古代中国から発展してきた東洋医学もまた、陰陽の概念を取り入れているのです。